建設技術情報(第17期)TECH17

インフラ分野のDX技術・i-Construction2.0技術 / B-09 防水シート自動溶着・品質管理システム

 山岳トンネルにおける防水シートの施工は、覆工コンクリートの耐久性や供用後の漏水抑制に直結する重要な工程です。その一方で、防水シートの溶着作業は、狭隘な高所で重量物を取り扱う作業となっています。具体的には、技能工が手作業で溶着機の向きや速度を調整して、シートの「よれ」や「たわみ」に対応する必要があります。この調整は技能工の経験や熟練度に依存しており、品質のばらつきや省人化を妨げる要因になっていました。また、品質管理も溶着箇所の5箇所に1箇所程度の割合で抜き取り検査を手作業で行っています。
 本技術は、トンネルの防水シート溶着作業における熟練技能工の挙動を機械的に再現する自動溶着機と、施工と同時に品質確認を行う熱画像リモートセンシング機能を一体化した施工システムです。

 本技術の自動溶着機は、トンネル断面形状に追従するガイドレール上を走行し、シーソー、バランサー機構およびエッジコントロール機構によりシートの「よれ」や「たわみ」に対応して溶着方向や溶着速度を自動で調整できます。これにより、熟練技能工が行っていた溶着機の微調整を機械的に再現し、安定した溶着部の品質を確保できるようにしました。
 また、品質管理については、溶着直後の温度分布を赤外線カメラで取得し、施工時に品質判定を行う熱画像リモートセンシング技術を山岳トンネルに展開しました。これにより、施工時にリアルタイムで品質を確認することが可能となり、不具合への即時対応、施工記録の自動保存、維持管理段階で活用可能な数値データの自動取得を可能となりました。

  • 防水シート自動溶着・品質管理システム
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NETIS登録No. KK-230038-A
五洋建設株式会社 土木部門 土木企画部 担当 / 稲田 憲武