建設技術情報(第17期) - 建設材料のCO2削減技術、GX機械、水質浄化技術TECH17

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インフラ分野の脱炭素化・GX技術 / C-03 低炭素型セメント材料を用いた半たわみ性舗装「ダイヤツインECO」

半たわみ性舗装は、アスファルト舗装とコンクリート舗装の特徴を組み合わせた舗装です。多くの空隙をもつアスファルト舗装に、セメント材料を水で溶いた「セメントミルク」を浸透させて固めることで、非常に高い強度を持たせています。
この舗装は、一般的なアスファルト舗装よりも耐久性が高く、とくに車の走行によってタイヤの通る位置に生じる“わだち掘れ”に強いことが大きな特徴です。そのため、長寿命で維持管理の負担を減らすことができます。
『ダイヤツインECO』は、この半たわみ性舗装用セメント材料を、従来材料と比べて約40%の CO₂ 排出量を削減した『ホソーエースeco』を使用する舗装で、環境配慮型半たわみ性舗装です。

令和7年の道路法改正により、道路分野でも「CO₂排出をできるだけゼロに近づける」ことが求められるようになりました。 そこで東京鋪装は、MUマテックス社と共同で、半たわみ性舗装に使用するセメント材料の製造時に発生するCO₂を約40%削減した新材料を開発しました。 この材料を『ホソーエースeco』といい、材料の性状は従来品と同じで、これまでと同じ品質・施工性を保ちながらCO₂削減を実現しています。 この材料を使った半たわみ性舗装が『ダイヤツインECO』です。
① CO₂削減効果
ホソーエースecoを使うことで、1平方メートル(1m×1m)あたり約3kgのCO₂を削減できます。 体育館ほどの広さ(約1,000㎡)をダイヤツインECOにすると、杉の木340本が1年間に吸収する量とほぼ同じCO₂削減効果になります。
② 長寿命による環境負荷の低減
半たわみ性舗装は非常に丈夫で長持ちするため、補修工事の回数を減らすことができます。 その結果、工事に伴って発生するCO₂も抑えることができます。
③ 夏場の路面温度を低減
半たわみ性舗装は、黒色アスファルト舗装に比べて夏場の表面温度が約10℃低くなります。 そのため、都市の暑さ対策(ヒートアイランド対策)にも役立ちます。

  • 低炭素型セメント材料を用いた半たわみ性舗装「ダイヤツインECO」
  • 低炭素型セメント材料を用いた半たわみ性舗装「ダイヤツインECO」
  • 低炭素型セメント材料を用いた半たわみ性舗装「ダイヤツインECO」
  • 低炭素型セメント材料を用いた半たわみ性舗装「ダイヤツインECO」
東京鋪装工業株式会社 生産推進本部 生産技術部  担当 / 伊藤薫

インフラ分野の脱炭素化・GX技術 / C-08 次世代コンクリートEeTAFCON(イータフコン)

 コンクリートは、社会インフラを支える重要な建設材料である一方、その製造に伴うCO₂排出量の削減が求められています。なかでも、コンクリートの主要材料であるセメントは、製造時のCO₂排出量が大きいことから、その使用を抑えた低炭素型コンクリートの活用が注目されています。
 『EeTAFCON』は、産業副産物を有効活用することで、コンクリート製造に伴うCO2排出量を大幅に削減する低炭素型コンクリート技術です。
 『EeTAFCON』には、アルカリ活性化材料(ジオポリマー)に分類される「TypeⅠ」と、混和材大量使用型コンクリートに分類される「TypeⅡ」があります。いずれも、産業副産物であるフライアッシュ(石炭灰)と高炉スラグ微粉末を主原料として、普通ポルトランドセメントを大幅に置換することで、材料起源のCO2排出量を約70%削減することが可能です。

 『EeTAFCON』は、普通ポルトランドセメントを用いた一般的なコンクリートと比較して、耐酸性や耐塩害性などの化学的耐久性にも優れています。特に、下水道管路などの硫酸腐食が懸念される環境では、その高い耐酸性を活かすことで、インフラの長寿命化や維持管理負担の軽減への貢献が期待できます。
 これまで、『EeTAFCON』はTypeⅠを用いた側溝や暗渠などの道路用製品、下水道用マンホールなど、型枠に流し込んで製造するウェットキャスト製品を中心に展開してきました。令和8年度からは、新たにTypeⅡを用いた遠心力成形製品の製造を開始し、適用できる製品領域を拡大しています。
 その1つであるCSB(Centrifugal Super Box-Culvert遠心ボックスカルバート)は、国土交通省が推進する低炭素型コンクリート活用の取り組みにおいても採用が進んでいます。

  • 次世代コンクリートEeTAFCON(イータフコン)
  • 次世代コンクリートEeTAFCON(イータフコン)
  • 次世代コンクリートEeTAFCON(イータフコン)
  • 次世代コンクリートEeTAFCON(イータフコン)
EeTAFCON研究会 戦略推進室  担当 / 中川喜夫

インフラ分野の脱炭素化・GX技術 / C-01 未来を拓く「低炭素型建設材料技術」

 2050年カーボンニュートラル実現に向けた二酸化炭素排出量の削減が社会的要求となる中、土木・建築の主要材料であるコンクリートの低炭素化は、今後の建設業界おける重要な課題です。
 大林組では低炭素型のコンクリート技術としてゼネコンで最多の実績を誇る「クリーンクリート」から、先進的な取り組みまで、様々な場面で社会とお客様のニーズに対応できる低炭素化技術を紹介します。

■低炭素化を実現する3つの手法
手法1:セメント削減…CO2排出量の多いセメントを削減する方法
    紹介技術⇒①③④❷
手法2:CO2固定化…CO2を吸収した素材を活用し、固定化する方法
    紹介技術⇒②④❶
手法3:その他新技術
    紹介技術⇒❸
■低炭素型建設材料技術(紹介技術)
①クリーンクリート(手法1)
 【概要】クリーンクリートは、セメントの代わりに、産業副産物である高炉スラグ微粉末を大量に活用することで、CO2排出量を約70%~最大80%削減可能なコンクリート
②リグニンクリート(手法2)
 【概要】製紙工程の産業副産物であるリグニンを主成分とする木質バイオマスを添加し、長期間多量のCO2を固定化するコンクリート
③ポリマークリート(手法1)
 【概要】セメントを一切使用せず、フライアッシュ・高炉スラグ微粉末等の産業副産物をアルカリ溶液で硬化
④クリーンクリートN(手法1・2)
 【概要】クリーンクリートにCO2を固定化した炭酸カルシウムを主成分とする粉体を追加。同強度普通コンクリ-トと比べてCO2を最大120%低減(80%削減して40%固定)
❶カーボンネガティブタイプ『スペースパック工法』(手法2)
 【概要】トンネル覆工背面の空洞等への注入工法で、「標準型」と「低炭素型」の2種類の可塑性注入材にバイオ炭やCO2を吸収させ固定化した炭酸カルシウムを混合
❷『バイプロジオC・L』『クリーンクリートジオ』(手法1)
 【概要】高炉スラグ等の様々な副産物から成り、用途に応じて異なる3タイプを有する低炭素型地盤改良材シリーズ
❸『Infill Hard Geo』インフィルハードジオ(手法3)
 【概要】注入材に用いられるコロイダルシリカを従来の工場生産から天然由来のものに置き換えることで、CO2排出量を削減した薬液注入材

  • 未来を拓く「低炭素型建設材料技術」
  • 未来を拓く「低炭素型建設材料技術」
  • 未来を拓く「低炭素型建設材料技術」
株式会社大林組 東京本店土木事業部営業部  担当 / 友廣裕亮

インフラ分野の脱炭素化・GX技術 / C-06 ecole(エコール)

独自のマイクロフォームド技術によって、通常よりも低い温度で製造できる環境にやさしいアスファルト
混合物です。CO2を削減するだけでなく、施工時の品質を担保し、締固め度も向上させます。
「マイクロフォームド技術とは、アスファルト混合物を製造する際に、発泡補助剤を添加することで、
アスファルトに微細で持続性の高い泡を大量発生させる技術です。」

ecoleは、目的・用途によって以下の2種類から使い分けることができます。
・ecole-L(最大30℃低減で出荷)
・ecole-N(通常温度で出荷)

〇ecole-Lの特徴
・CO2排出量削減
・早期交通開放
・作業環境の改善

〇ecole-Nの特徴
・遠くの現場へ運搬可能
・寒い日でも工事品質を担保

  • ecole(エコール)
  • ecole(エコール)
前田道路株式会社 技術部  担当 / 照井 健太

インフラ分野の脱炭素化・GX技術 / C-02 バイオ炭を活用した環境配慮型施工技術

木質バイオマスを炭化して作られたバイオ炭を活用する環境配慮型施工技術の総称、それがSUSMICS(SUstainable + SMI(炭) + Carbon Storage)シリーズです。大気中のCO2を除去し、長期的に安定した炭素貯留(CO2固定)を実現します。

SUSMICSシリーズには、SUSMICS-C(コンクリート)、SUSMICS-G(地盤改良工法)、 SUSMICS-S(ソイルセメント)、 SUSMICS-A(アスファルト)があります。 

■SUSMICS-C(コンクリート)
コンクリートの主要材料であるセメントは、製造時に大量のCO2を排出します。
バイオ炭を細骨材の一部と置換することで、コンクリート構造物へCO2を固定し、コンクリート生産に伴う実質的なCO2排出量の低減を実現します。
【特長】
 ・普通コンクリートと同等の性能
 ・汎用性が高く、どこでも製造・施工が可能

■ SUSMICS-G(地盤改良工法)
混合処理工法による地盤改良工事において、セメントやセメント系固化材に加え、溶融スラグとバイオ炭を敷き均した後、機械で混合攪拌して締め固めることで、CO2排出量を実質ゼロにする脱炭素型地盤改良工法です。
【特長】
 ・土性を改善、CO2の削減に貢献
 ・廃棄物の有効活用
 ・既存工法の適用が可能

■SUSMICS-S(ソイルセメント)
ソイルセメントや流動化処理土といったスラリー系改良土は、建設発生土や現地土に水と固化材であるセメントを混ぜて作られます。バイオ炭を添加することで、固化時のブリーディング(構成材料の分離・沈降現象)を抑制し、品質を向上させることができます。また、ソイルセメントの生産に伴う実質的なCO2排出量の削減にも貢献します。
【特長】
 ・高い吸水特性を活かし、深度方向の品質を確保
 ・従来どおりの製造法と施工性
 ・カーボンネガティブの実現

■ SUSMICS-A(アスファルト)
バイオ炭をアスファルト混合物の砂の代替として添加することで「アスファルト混合物製造時のCO2排出量」と「バイオ炭によるCO2固定量」がオフセットされ、カーボンニュートラル・カーボンネガティブなアスファルト混合物となります。
【特長】
 ・カーボンニュートラルと経済性の両立
 ・改質Ⅱ型のアスファルトを使用した混合物と同等の性能
 ・従来どおりの機械編成で施工可能

詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
https://www.shimztechnonews.com/hotTopics/news/2025/2025-03.html

  • バイオ炭を活用した環境配慮型施工技術
  • バイオ炭を活用した環境配慮型施工技術
  • バイオ炭を活用した環境配慮型施工技術
  • バイオ炭を活用した環境配慮型施工技術
NETIS登録No. なし
清水建設株式会社 土木技術本部企画管理部  担当 / 竹中  恵

インフラ分野の脱炭素化・GX技術 / C-11 「Kcal」(ケイカル)/「Kcrete」(ケイクリート)

排ガスCO2を吸収して製造した材料『Kcal』と、環境配慮型コンクリート『Kcrete』の開発と社会実装を推進し、建設現場の脱炭素化に貢献します。

鴻池組では、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、環境配慮型コンクリート『Kcrete』の開発・社会適用を進めています。
低炭素型コンクリート『Kcrete L』は、製造時に多くのCO2を排出するセメントの大部分を、副産物である高炉スラグ微粉末に置き換えることで、CO2排出量を大幅に削減します。
CO2吸収コンクリート『Kcrete N』は、排ガスCO2を吸収して製造した軽質炭酸カルシウム『Kcal』を混合することで、コンクリート自体にCO2を固定化。カーボンリサイクルを実現します。
用途や目的に合わせた配合を提案し、建設現場の脱炭素化に貢献します。

  • 「Kcal」(ケイカル)/「Kcrete」(ケイクリート)
  • 「Kcal」(ケイカル)/「Kcrete」(ケイクリート)
  • 「Kcal」(ケイカル)/「Kcrete」(ケイクリート)
  • 「Kcal」(ケイカル)/「Kcrete」(ケイクリート)
株式会社鴻池組 東京本店土木営業部  担当 / 宮﨑勇磨

インフラ分野の脱炭素化・GX技術 / C-09 低炭素型コンクリート「スーパーグリーン(SG)コンクリート」

混和材を積極的に用いて、二酸化炭素排出量を大幅に削減

 「スーパーグリーン(SG)コンクリート」は、製造時に多くのCO₂を排出するセメントの代替として、高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどの副産物を積極的に使用することにより、資源を循環しながら材料由来のCO₂排出量を大幅に削減可能なコンクリートです。図1に示すように、結合材中の混和材の割合を70%以上とし、セメントの割合を30%以下にすることにより、コンクリート1㎥当りのCO₂排出量を60%以上削減します。
 一般的なコンクリートと比べて硬化時の発熱量が少なくマスコンクリート(部材の寸法が大きく温度ひび割れのリスクが高いコンクリート)への適用にも適しており、耐久性の観点では塩化物イオンの浸透やアルカリシリカ反応を抑制する効果もあります。加えて、一般的なコンクリートと同様の方法で施工が可能です。

  • 低炭素型コンクリート「スーパーグリーン(SG)コンクリート」
  • 低炭素型コンクリート「スーパーグリーン(SG)コンクリート」
前田建設工業株式会社 東京土木支店 営業第1部 第1グループ  担当 / 上野 健二
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